アパレルデザイナーの私が「買わない洋服」
名古屋市熱田区にある
イメージアアップサロンkaleidoscopeの長田桃代です。
よくショッピング同行をする時に、お客様から質問される事の一つとして
アパレル業界でずっと洋服を作っている方は、どのように洋服を選ぶんですか?
この様なご質問を受けることが、多々あります。
アパレルに限らず、どの業界の方でも同じだとは思いますが
- 不動産業界の方なら→この物件・この土地は買わない。
- 料理をする仕事の方なら→こんな調理法・保存はしない。
- 魚屋さん・漁師さんなら→この魚は選ばない。
この様に
その道のプロならでは「選び方」って、必ずありますよね。
という事で!
本日は
私の目線=デザイナー目線で洋服を選ぶ時に気にしている事をお伝えしていきます。
今回のお題は
夏に大活躍の
\
Tシャツ&カットソー
/
数年前からトレンドになっているスウェットパーカーも、カットソーです。
編み地素材を「カット&ソーング」するアイテムの事をカットソー(カットと略されます)と言います。
カットソーはニットとは全く別物。
冬の厚手の生地になると、ニットとカットを間違える方もちらほら。
では
今から、今回のタイトルのTシャツとカットで
私がなるべく買わない物(仕様|作り方)のものをいくつか紹介しますね!
1つ目|共布付け仕様
その名の通り
TシャツのBODYと同じ生地で、首ぐりが作られた仕様。
これは、気に入っても私は極力買いません!
理由は洗濯する度に、型崩れが目立つ、よれる。
ワンシーズンももたないから!
この仕様は、干す時に衿元を整える必要があるので手間がかかる。
その割に型が崩れるスピードが速いので長持ちしません。
共布付け仕様は、新品の状態で見るとスッキリと綺麗目に見えるので、大人系セレクトショップブランドに多く取り扱いがあるタイプです^^
私・・・このタイプのTシャツ、よく買うかも
これがダメなら何買ったらいいの?
そんな方へお勧めな
「付け仕様」の中でもOKなタイプもご紹介♪
こちらは付け仕様に「ステッチ押さえ」が入ったタイプ。
これなら付けた衿の縫い代が、ステッチで固定されている為、安定感があり洗濯の度にBODY(本体の見頃の事)から付けた首ぐりのパーツが立ち上がる事を防げるので、まだお手入れが楽ちんです!
でも・・・
共布で出来た衿ぐりは、やはりヨレヨレし易いので長く着たいと思うTシャツやカットでの購入は、お勧めしません。
見た目の難点としては
ステッチが入る事で、カジュアル感が出てくる事は避けられません。
後もう一つお勧めは、
付け仕様ですが衿の生地がゴム編み組織になっているタイプ。
このゴム編み(横伸びになる編み方)タイプは、よく見かけますね!
ヘインズのTシャツなんかも、この生地の組み合わせで出来ていますので、ヨレにくく長持ちします。
編み方だではなく、生地にポリウレタンというゴム素材が混紡されているので、伸びても縮む為見た目はキュッとしっかりします。
丈夫で長持ちするタイプですが
やはりこちらも、綺麗目感はダウンします。(ゴム編みは厚みが出るので余計に…)
ゴム編みタイプの付け仕様が、Tシャツ系の中で一番カジュアル見えするTシャツになります。
2つ目|見返し仕様
こちらのタイプ。
デザイナー目線で100%購入しないです。(ここはキッパリ)
…しかーし!
何度もこの手のデザインを作って世に送り出した事実もあります(^◇^;) ごめんなさーぃ
なぜかというと、カットは春・夏に売れます。それは綺麗目もカジュアルなブランドも共通することで…私は綺麗目のブランドを担当することが多かったので、致し方なく「売れるもの」を作っていました🙇♀️でも、自分は買わないってゆー
雇われのお仕事、会社員なので…色んなしがらみがありましてね…☁️
衿元がとても綺麗でスッキリした見え方です。
スーツインで着用できるカットとして、ビジネス用スーツコーナーで販売されている物も多いです。
カットやTシャツは、どうしてもカジュアルな見え方が強いので、オフィシャルシーンでは利用されにくですが、こちらのタイプはオフィシャルなシーンでもOK。
綺麗目シーンに着られる女性らしいアイテムとしては、とてもお勧めですよ🌸
綺麗目なスタイルが好きだけど、カットなので手入れが楽(ブラウスに比べてアイロンが不要でシワになりにく)という理由で好む方も多いかもしれませんが、個人的には洗濯の度に裏側にある見返しがめくれ、縫い合わさった部分が歪み、芯地が剥がれ…と汚い印象になり易い。
たまに街中や電車でめくれている方をお見かけします・・・(^◇^;)
最近はゆったりしたトレンドから、綺麗目テイストでもオーバーサイズが出回り、ノースリーブの袖口にも「見返し仕様」のデザインが多く見られます(上の写真右)
これも、洗濯してしまうと見返しが浮いてきたり、ピラピラと落ち着かないので要注意アイテムとなります。
3つめ|ロック二つ折れ始末
このデザインもよく見かけますよね!
この仕様は衿元の布端が内側に折れているだけで、そこにステッチで入っています。
首ぐりは運動量も多くて、着脱で頭を通すので負荷がかかりやすいです、また摩擦も多い場所なのでヨレ易く
ボートネックの場合は、気付けばペロッと表側にめくれてしまう事も・・・
こちら一般的に安めのお洋服に、多く見られる仕様になります。
(なぜかは、機会があればお話ししますね)
生地が厚手でしっかりしたアイテムも存在しますが、それでも糸の重さと構造上や生地の兼ね合いで、表(外側)へ首ぐりが傾いてきますのでヨレヨレ感からは逃れられません。
以上
今回のご紹介はここまでです^^
ここで書くことは、私の頭の中の一部なので
いずれ皆さんにはもっと沢山の事をお伝えしたいです^^
今回描いたものは、基本的に「綿物・綿の混紡物」のカット&Tシャツを基準として記事を書いています。化学繊維や布帛(織物)の場合は、少し違う見え方になる物もあります。
私は洋服を愛しすぎて、アパレルデザイナーになりました。
世の中の皆さんに、洋服を大切にして欲しい♡
なるべく長く着れるものを選び、お手入れも簡単で生活の負担にならないアイテムを選ぶコツを伝えていきたいので
少しでも「洋服選びのコツ」を共有できたら嬉しいです^^
私のショッピング同行を依頼される「お客様の層」は様々で
ブランドを好む方も、ユニクロやハニーズといったリーズナブルなお店を回る事もよくあります。
お客様の好みと予算・年代により、回る場所が変わります。
どこを回っても
今回の記事のように、洋服の縫製上に関わる箇所は必ずチェックします。
もちろん生地もチェック!
そして何よりも
お客様が魅力的に見える「絶対的に似合う服」を見つけ出します✨
洋服を長く大切に着る事を、世の中に広めていきたいです。
SDGs地球のためにもなりますね🌏
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